2022年1月発行

NWMLSの新たなレポートによると、12月の住宅売買活動は、深刻な在庫不足、そして記録的な寒さと雪により、ワシントン州各地で季節要因による減速の予想範囲を超えて鈍化した。
MLS統計データの概要を見ると、12月にエリア全体で新たに売り出された新規登録物件は、去年同時期比で12.3% 減少。在庫、販売契約件数、販売件数は、前年同期比でいずれも2桁の減少となった。価格だけは上昇し、レポートで報告された26郡で販売された戸建て住宅およびコンドミニアムの価格は全体で17.4% 上昇した。
12月の販売件数の中央価格帯は$572,900で、$488,000だった去年同時期から上昇した。戸建て住宅 (コンドミニアムを除く)の価格は、$502,247から$590,000へと17.5% 近く急騰した。King郡は、戸建て住宅の価格変動幅が10%未満だった3つ郡のひとつで、価格は$740,000から$810,000へ上昇した。12の郡では、20% 以上の価格上昇となった。コンドミニアム価格は、$370,000から$435,000へと17.6% も急騰した。
NWMLSのブローカーが報告した12月の販売件数は8,017戸で、去年同時期の9,008戸から1,000戸近く減少。King郡 (16.3% 減) やSnohomish郡 (17.6% 減) など、11の郡では2桁の減少となった。
(コロナ禍を含む) 困難な状況にもかかわらず、NWMLSのブローカーは2021年に販売件数107,354戸を達成し、95,760戸を記録した前年を12.1% 上回った。
販売契約件数は5,850戸と、去年同時期比で15% 以上減少したが、　それでも新規登録件(4,617件) を大きく上回ったため、月末の在庫は乏しいものとなった。実際、NWMLSの記録を10年前まで遡ると、エリア全体の戸建て住宅とコンドミニアムの売り出し中物件が4,000戸を割り込んだのは、今回の3,240戸が初めてとなる。去年同時期には4,739戸の売り出し中物件が買い手に提供されており、11月には4,621戸の物件がMLSのデータベースに登録されていた。
月末時点の供給は2週間分を割り込んだ(0.40ヶ月分)。7つの郡では在庫がさらに枯渇し、Snohomish郡は0.20ヶ月と最も深刻な在庫不足を抱えている。
John L. Scott Real Estate会長兼CEOのJ. Lennox Scott氏は、　現在の市場を「まさに歴史的」と表現し、2021年はPuget Sound地域の販売契約件数が過去最高を記録した年のひとつであったと指摘した。「12月下旬にPuget Soundを襲った積雪と凍結により、約1週間遅れで2022年の住宅市場の本格的な幕開けを迎えることになった。この影響で、新しい物件が市場に出るのを辛抱強く待っていた買い手の出足が鈍った」と同氏は語った。
年末の寒波も、Scott氏が抱く楽観的な2022年の見通しに冷や水を浴びせるには至らなかった。「ホリデーシーズンと大雪の直後から、地域の市場では引き続き、旺盛な買い手需要、複数のオファー、そしてプレミアムな価格設定が見込まれる。今年も住宅用不動産にとって素晴らしい1年になるだろう」と同氏は意気込んだ。

ワシントン州のJay Inslee知事は、現在同州で適用されている電気自動車の消費税免除に加え、新車および中古車の電気自動車にリベートを提供する計画を提案している。 この提案では、$55,000未満の新型セダン、および$80,000未満の新型のバン、SUV、ピックアップトラックに最大$7,500のリベートが提供される。中古車のリベートは$5,000に下がり、ゼロエミッションのバイクや電動バイクには$1,000のリベートが提供される。リベートの対象となるのは、年収$250,000以下の個人、または夫婦合算申告の場合は年収$500,000未満の世帯。所得$61,000未満の低所得ドライバーは、新中古車の電気自動車購入に対して、さらに$5,000のリベートを受給する資格がある。

フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)が発表した最新のプライマリー住宅ローン市場調査(PMMS)によると、1月6日に終了する週の30年固定金利住宅ローンの平均は、前週の3.11%から3.22%に上昇した。去年同時期の30年固定金利住宅ローンの平均は2.65%だった。

1/6終了週の15年固定金利住宅ローンの平均は2.43%で、前週の2.33%から上昇。去年同時期の平均は2.16%だった。住宅ローン金利は10年債利回りと連動する傾向があり、10年債利回りは1月5日に1.75%に達し、前週の1.51%から上昇した。