2021年11月発行

NWMLSのブローカーは、勤務先の矛盾する「在宅勤務」の方針に戸惑う一部の買い手が、住宅購入に優柔不断な態度を示していることを察知しつつある。このような購入へのためらいに加え、気温が低く雨の多い天候や住宅ローン金利の上昇が、10月に新規登録物件数と販売件数が停滞した要因だと考えられる。
NWMLSのブローカーが前月10月に報告した販売契約件数は10,620戸で、去年同時期から3.8%減少、9月から6.2%減少した。MLSのレポートでは、26郡のうち13郡で契約件数が減少したが、在庫不足が買い手の理想の家を見つける阻害要因となった可能性がある。
最新のレポートによると、10月の販売件数は9,983戸で、これは去年同時期と比べ823戸の減少 (7.6 %減)、9月と比べ306件の減少 (約3 % 減) であった。
MLSは前月10月に新規登録物件9,219戸を新たに売り出し、住宅購入希望者に選択肢を提供した。これは去年同時期に比べ1,209戸少なく、11.6 %の減少となった。9月と比べると、新規登録物件は19 %近く減少した。
月末時点の売り出し中物件は6,588戸で、去年同時期に比べ23.6 %減、6月以降で最も少ない物件数となったが、11の郡では物件数が2桁増となった。
在庫月数を見ると、エリア全体で3週間分を下回った (0.66ヶ月分）。Puget Sound地域の8郡を含む11の郡では、供給量は1ヶ月未満であった。
「寒くなるにつれて、新しい物件が出るたびに住宅市場の熱気が高まっていく」と述べたのはJohn L. Scott Real Estate会長兼CEOのJ. Lennox Scott氏。同氏は「買い手は金利が低い今のうちに購入したがっている」と語った。またPuget Sound地域の活発な売買活動は「地域によっては2021年春のレベルに近づいているか、すでに達している」と述べ、買い手は2022年3月まで在庫不足に見舞われるだろうと語った。
戸建て住宅とコンドミニアム価格は1年前から15%上昇し、大半の郡で2桁の上昇が見られた。エリア全体では、前月10月の販売件数の価格は$575,000で、去年同時期に比べ$75,000上昇した。戸建て住宅 (コンドミニアムを除く) の場合、価格は前年同月比16.3 %高となり、$515,000から$599,000に上昇した。コンドミニアム価格は約11.3 %上昇し、$395,000から$439,475へと値上がりした。
King郡は、2桁の価格上昇を示した都市部の中でも例外的な存在となった。去年同時期に比べ価格は約9.5 %上昇し、$685,000から$750,000へと値上がりした。同郡内では、シアトル内の価格は5.3 %増と最も低かったのに対し、Vashonの価格は去年同時期に比べ33 %以上も上昇した。同郡の南東部で販売された住宅は19.7 %と急上昇し、南西部の17.7 %がこれに続いた。中央価格帯が$1.1ミリオンを超えるEastsideでは、価格が前年同月比で17.3 %上昇した。

新型コロナウイルスの影響もあり、都市部の郡が10年ぶりの人口減に見舞われる中、パーソナルファイナンス情報サイトのWalletHubが「2021年アメリカのベストな小都市」のレポートを発表した。アメリカ人が、生活の質が高く価格が手頃な場所に住めるように、WalletHubは人口2万5000人から10万人の米国都市1,300以上を、住みやすさを評価する43項目の主要指標で比較した。これらの指標は、住居費や教育制度から1人当たりのレストランの件数まで多岐にわたる。結果、第一位はワシントン州のSammamish、第二位はインディアナ州のCarmel、第三位はテネシー州のBrentwoodとなった。

住宅購入者の移住パターンは正常化に踏み出し、コロナ前のトレンドに近づいていくのだろうか？Redfinの新たな統計データは、そのような傾向を示しているようだ。
全米で不動産仲介を行う同社のレポートによると、2021年第3四半期には、住宅購入者の30.2 %が異なる都市圏への引越しを検討していることが明らかになった。これは4四半期ぶりの低い割合で、2021年第2四半期の31.1 % 、およびピーク時の2021年第1四半期の31.5 %から減少した。新しい都市部への引越しに対する関心は、4四半期連続で高まりを見せた後、2四半期連続で低下した。
Redfinは、ユーザー約330万人のサンプル調査をもとにこの分析を行った。